須崎動物病院では以前から、次のようなお問い合せがよくあるそうです。
硬いものを噛ませていたのに、歯周病になってしまいました…歯を抜くことを進められましたが、心配です。
どうしたらいいでしょうか?
ここで須崎獣医師からの大切な質問があります。
あなたの犬・猫は
● 唾液がネバネバしていませんか?
● 口臭が気になったりしませんか?
● 歯周病や口内炎がありませんか?
● 病気の治りが悪かったりしませんか?
これらは、口の中で悪い菌が増えているサインかもしれません。
人間ですら、歯磨きをしているにもかかわらず、成人の約8割が歯周病といわれていることから、犬や猫も、硬いものを噛むだけでは歯周病を防ぐことはできないことがあるのかもしれません。
しかも、悪い菌が増えるだけならいいのですが、ある報告によれば、口の中で増殖した菌が、血液を介して心臓に到達し、心臓病などの原因になることもあるそうです。
そこで最近須崎動物病院では、症状に関係なく、また、体調不良の子も、元気な子も、全てのケースにおいて、
1)口の中の悪い菌を減らし、
2)口の中に乳酸菌が多い状態を維持する
ことを須崎動物病院ではオススメしております。
往診先で実践していただいたところ、
「口臭が気にならなくなりました。」
「皮膚の状態が落ち着いてきました。」
「しつこい膀胱炎が落ち着いてきました。」
「何をやっても、尿検査でいつも結晶が出ていたのがウソの様です。」
などの体験談をいただいております。
(もちろん、全て口内ケアだけの結果ではないと思いますし、そんなことを申し上げるつもりもありません。)
では、なんで口の中の悪い菌を減らし、乳酸菌の多い状態を維持することが重要なのかを考えてみたいと思います。
動物医療の現場では、「歯周病菌が心臓病の原因となっているのでは?」という説があります。
また最近、人間の話ですが、こんなニュースがあったのをご存知でしょうか?
「動脈硬化の危険因子」解明
歯周病菌酵素が作用 九大グループ 「治療、予防に光」
九州大学大学院歯学研究院の山本健二教授(口腔(こうくう)常態制御学)の研究グループは2006年10月25日、歯周病の原因菌が動脈硬化を引き起こす仕組みを突き止めたことを明らかにした。
つまり、口の中で繁殖した歯周病菌が、動脈硬化の原因になる可能性があるということです。
同様に「口内で増殖した歯周病菌が、血液を介して心臓にたどり着き、心臓病の原因になるのでは?」という説や、「慢性疾患の原因の一つに『歯周病菌』が疑われる」という説まであります。
同じことが犬や猫にも言えるのかもしれません。
ちなみに、コモドドラゴン(オオトカゲ)の口内には、有害な細菌が多く繁殖しており、獲物に噛みつくと、相手の血液中に細菌が侵入し、体内を細菌が駆けめぐり、最終的には『敗血症』という血液に細菌が大量に増える状態に発展し、倒れることがあるそうです。コワイですね。
また須崎獣医師は、人生においても大先輩(60代~80代)の獣医師のお話を伺う機会があるのですが、
「理由はわからないんだけど、病気の治りが悪いケースで抗生物質を処方すると、良くなることがあるんだよね。理由はわからないんだけど…。」というお話しを聞くことが少なくありません。
このことは、3つの可能性を意味するかもしれません。
・1つは、その病気に細菌感染が影響していた可能性
・もう1つは、その抗生物質に、細菌を攻撃する以外の作用がある可能性
・最後の一つは、偶然の出来事で全く関係ないという可能性
これらのことを解明するには、かなりの研究が必要でしょう。でも、現実に起こっていることでもあります。
最近須崎動物病院では、「手作り食を取り入れてしばらく経ち、ある程度良くなったが、ある段階で足踏み状態が続いている」という飼い主さんからの相談依頼が増えてきました。
このことは、手作り食はもちろんある程度の有効性をもつのですが、それだけでは改善しきれない「別な要素」が体調不良に関与していることのサインかもしれないと須崎獣医師は考えました。
その原因として考える要素の中に、「細菌などの病原体感染」があります。もちろん、細菌感染以外のことが問題となっていることを完全に否定することはできません。しかし、様々な背景から、細菌感染が悪化要因となっていることが疑われるならば、どこから侵入してくるのかを突き止める必要があります。しかし、侵入経路は複数考えられるため、その特定はなかなか難しいことでもあります。
この様な状態の時、原因は複数考えられるのですが、口内ケアを取り入れることで悪化した状態が変化することがよくあります(これは、あくまでも須崎獣医師の個人的な経験であり、再現性の有無は今後の研究にゆだねられることです。また、薬事法の関係で、「治る」とか、「絶対に!」という言葉は使えないことをご了承下さい)。
そうすると、どのような口内ケアを行ったかが気になるかもしれません。
口内ケアを取り入れると、まず口臭と唾液の状態に変化が現れることが多いようです。
上記ご使用者体験談のような体験談が最も特徴的な感想の様です。
途中を思いっきりはしょりますが、
飼い主さんとのやりとりや、様々な情報収集から、
「口内を乳酸菌の多い状態に保つことが解決策の一つかもしれない」ことが考えられました。
もちろん、須崎獣医師が関わった範囲だけに当てはまることかもしれませんし、必ずそうなると断言できることではないかもしれませんので、「そんな可能性がある」程度に理解していただければ結構です。
具体的には以下のように取り組んでいただきました。
1)夜、天然の抗菌作用が期待できるといわれている「クマ笹エキス」を水で薄めて口の中に投入します
(1mlシリンジを使用すると便利)。
2)朝「乳酸菌パウダー」で、歯と歯茎の境目を磨きます。(忙しい方は、水で薄めて口の中に入れるのもオススメ!)
ただし、この乳酸菌パウダーは、犬用、猫用に特別な配合で複数の乳酸菌をブレンドしたものを用いることをオススメします。
3)一日に何度か、「クマ笹エキスを水で薄めた液」か、「フィトンチッドの液」を歯に噴霧します。
こうすることで、口臭と唾液の性質が……
おっとあぶない。
薬事法の関係で、あまりハッキリとしたことはいえないのが心苦しいのですが、ぜひ一度お試し下さい。
最初は、先の方法で良さそうだったのですが、時間が経つに連れて、だんだん期待する状態と現実に差が出てきました(回りくどい表現ですいません)。
そこでいろいろ調べた結果、複数の乳酸菌をブレンドすることで、結果が変わるかもしれないということを知りました。
また、その配合比率は、犬と猫では微妙に異なるということもわかってきました。
そこでこの度、一年の研究の集大成として、「乳酸菌パウダー」を販売することとなりました。
この度、皆さまの声にお応えして乳酸菌パウダーをリニューアルいたしました。 今まで、『水溶き片栗粉みたい』『お口の周りに付いてカピカピになってしまう』と、言ったお声を頂きましたので、 お水に溶くとのり状(障子を貼る時に使用するのりの様な感じ)になる様に変更致しました! あと、乳酸菌の量もさらに増えました♪ 所々、少し薄茶色い粉が見えますが、それも乳酸菌ですのでご安心下さい。 今の乳酸菌パウダーがなくなり次第、切り替わりますのでよろしくお願い致します。