脂肪酸は、身体の構成成分としてはなくてはならない栄養素です。脂肪不足が長期にわたると皮膚の乾燥やエネルギー不足による免疫力低下、皮膚病や感染症のリスクが高まる場合もあります。身体にとって重要な役割をしている脂肪酸をバランス良く摂ることが大切です。
脂肪酸には、バターやラード、動物性脂肪など「固まりやすい」が「加熱をしても劣化しにくい」特徴の飽和脂肪酸と、植物油・魚の油など「固まりにくい」が「加熱をすると劣化しやすい」特徴の不飽和脂肪酸があります。
また、不飽和脂肪酸にはω9(オレイン酸)・ω6(リノール酸)・ω3(αーリノレン酸)があり、その中でもω6とω3は、自分では合成できない又は合成が遅いため食事として補給する必要がある「必須脂肪酸」となり、合成の大本となる「リノール酸」と「αーリノレン酸」が特に重要となります。
(リノール酸→γ-リノレン酸→アラキドン酸)
植物性の油に豊富に含まれています。一般的に動物は、リノール酸を原料としてγ-リノレン酸やアラキドン酸を合成します。しかし、猫科の動物の場合アラキドン酸をリノール酸から合成する酵素がないので、アラキドン酸が必須脂肪酸となって います。アラキドン酸は、動物性タンパク質に多く含まれています。
(α-リノレン酸→EPA→DHA)
リノール酸と同様に植物性の油に多く含まれています。ヒトも動物もαーリノレン酸を原料としてEPAとDHAを合成できますが、変換率は10%~15%程度ですので、十分な量を確保するためには、EPAとDHAを直接摂取した方が良いとされています。ヒトでは、ω3脂肪酸の欠乏により学習能力や視力の低下をきたすことが報告されています。
脂肪酸は、動物の身体中の細胞を形作る細胞膜の成分です。それらの細胞には、脳の神経細胞や血液中の赤血球なども含まれます。細胞膜がしなやかかどうかは、細胞膜に使われる脂肪酸の種類に影響を受け、魚に多く含まれるω3脂肪酸は、赤血球膜を柔軟化するといわれています。
血液を身体の隅々まで行き届かせるには、血液細胞の細胞膜が柔軟であること、適度な運動やマッサージをすることが重要です。血液細胞の細胞膜がしなやかであれば、身体の末端の細い血管にも血液が届きやすくなります。そうすることで、全身に酸素や栄養素が行き渡り、白血球も行き届き、自然治癒力が高まる可能性がでてきます。
血行が悪いと酸素や栄養が行き届かず、代謝と抵抗力が低下し、病原体感染や老廃物の蓄積、有害物質などによる汚染が進行する恐れがあります。これらが進行することで細胞が腫瘍化し、さらに深刻な状態になる可能性もあります。また、運動・マッサージをしても細胞膜の質が悪ければ、血液が末端まで届かない可能性もあります。
水分の多い食事&良質な脂肪酸の摂取
↓
血流を良くする(散歩やマッサージ)
↓
全身に栄養と酸素と白血球が行き届く
↓
自然治癒力が高まる
ω6脂肪酸は「炎症作用」があり、ω3脂肪酸は「抗炎症作用」があると言われています。炎症反応を促すプロスタグランジンE2は、ω6脂肪酸のアラキドン酸を原料にして合成されます。一方で、ω3脂肪酸のEPAには、炎症反応を弱める抗炎症作用があると考えられています。ヒトの診療現場では、アレルギー性疾患や、慢性炎症性疾患(炎症性腸疾患も含む)において、ω6脂肪酸の摂取を減らし、同時にω3脂肪酸の摂取を増加させることで良好な治療効果が報告されています。さらに、心血管疾患・腎疾患・自己免疫疾患・炎症性腸疾患・リュウマチ性関節炎などでは、ω3脂肪酸の投与により、死亡率や再発率の減少、入院期間の短縮や薬剤使用量の減少等が報告されています。もちろん、ω3脂肪酸も、ω6脂肪酸も両方バランス良く摂取する必要はありますが、通常の食生活ではω6脂肪酸の摂取が比較的多くなりがちですので、意識してω3脂肪酸を摂取すると良いでしょう。
※カプセルを割ってお使いの場合は、ぬるま湯(熱湯不可)に1~2分浸けてカプセルを柔らかくし
ハサミ等でお切りください。
※カプセルは無害な成分ですので、そのまま与えても問題ありません。
※ご使用の前に説明書をお読みください。